こちらでは、介護福祉士実務者研修って聞いたことはあるけど、どんな資格なのかイマイチわからない…。
そんな方に向けて、介護福祉士実務者研修を取得することでどのようなメリットがあるのか、資格を取得するための方法等をわかりやすく解説しています。
介護福祉士実務者研修とは?
まず最初に、介護福祉士実務者研修がどのような資格なのか説明します。
介護福祉士実務者研修とは
介護福祉士実務者研修そのものは、介護の仕事をしたことのない未経験者や、他に介護の資格を持っていない人でも受講要件さえ満たせば誰でも受講することが可能です。
そのため、実際に介護職に就こうと考えている人だけでなく、家族の介護をするための知識を得るために受講する人も少なくありません。
また、介護士が取得できる資格の中で唯一の国家資格『介護福祉士国家試験』を受験するためには、介護福祉実務者研修を取得していることが必須になります。
介護の資格と言えば、初任者研修(旧ヘルパー2級)を最初に受講する方も多いですが、実務者研修を最初に取得してしまう方も増えています。
実際、介護求人でも初任者研修と無資格者の給与はほとんど変わらない施設が多く、実務者研修を取得していると手当が増えたり基本給が増えたりと、待遇も変わってくるのが現状です。
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ホームヘルパー1級と介護福祉実務者研修の違い
介護保険法が改正されたことにより、ホームヘルパー1級・2級といった資格は現在ありません。
しかし、旧ホームヘルパー1級は介護福祉実務者研修を持つ者と同レベルの知識を有するとされています。
ただ、ホームヘルパー1級を持っていても、介護福祉士の受験資格に必要な項目を満たしているとはみなされないので注意が必要です。
介護福祉士の取得を将来的に見据えているのであれば、介護福祉士実務者研修を改めて取得する必要があります。
介護職員基礎研修との違い
介護職員基礎研修は2012年度に、ホームヘルパー1級と一本化され廃止されました。
すでに介護職員基礎研修を修了している人が介護福祉士実務者研修を取得する場合であれば、座学の医療的ケア(50時間分)と演習のみ受講すれば取得可能です。
なので、全く無駄になるという事ではありません。
介護職員基礎研修を持っている方は、介護福祉士実務者研修を取得する際に、かなり大幅な免除を受けることが可能になるのです。
介護福祉士実務者研修を取得する方法
介護福祉士実務者研修を取得するためには、何が必要になるのでしょうか。
こちらでは、資格取得に必要な要件や研修内容についてご紹介します。
介護福祉士実務者研修の難易度
介護福祉士実務者研修は、介護職未経験者や無資格者であっても受講が可能。
つまり、誰でも取得しようと思えば資格を取得することが出来ます。
もちろん、介護の専門的な内容にはなりますので、しっかりと内容を理解して挑みたいという方であれば先に介護職員初任者研修を受講してからがいいでしょう。
しかし、すでに介護施設で働いている方や多少なりとも家族の介護などで経験がある方は、問題なく取得できるレベルです。
介護職員初任者研修も、受講料が掛かりますので、少しでも節約したい方は介護職員初任者研修を飛ばして介護福祉士実務者研修にチャレンジしても問題ありません。
全く何の知識も無いのに、いきなり介護福祉士実務者研修を受講して資格取得できるの⁉と不安に思われる方もいるかもしれません。
しかし、安心してください。
私の知る限り、100人以上未経験でチャレンジしている人を見ていますが、誰一人落ちていません。
よほど講義中の態度が悪かったりしなければ、まず落ちることは無いので安心して受講しましょう。
ちなみに、すでに初任者研修を修了している場合は、講習内容や費用が一部免除になります。
介護福祉士実務者研修の研修内容
無資格の状態から、介護福祉士実務者研修を受講する場合、必要科目は20科目です。
カリキュラムは大きく、「人間と社会」、「介護」、「こころとからだのしくみ」、「医療的ケア」の4つに分類されます。
医療的ケアの分野では、喀痰吸引や経管栄養などの実技も行いながら勉強する形です。
20科目ごとの受講時間
20科目の受講時間数は、合計で450時間です。
分野 | 科目名 | 受講時間 |
---|---|---|
人間と社会 | 人間の尊厳と自立 | 5時間 |
社会の理解Ⅰ | 5時間 | |
社会の理解Ⅱ | 30時間 | |
介護 | 介護の基本Ⅰ | 10時間 |
介護の基本Ⅱ | 20時間 | |
コミュニケーション技術 | 20時間 | |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 | |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 | |
介護過程Ⅰ | 20時間 | |
介護過程Ⅱ | 25時間 | |
介護過程Ⅲ | 45時間 | |
こころとからだのしくみ | 発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 | |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 | |
障害の理解Ⅰ | 10時間 | |
障害の理解Ⅱ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | |
医療的ケア | 医療的ケア | 50時間 |
合計 | 450時間 |
この表は無資格者が受講した場合になります。
何らかの資格を持っている場合は、その種類によって免除される項目がありますので、事前に確認するようにしましょう。
介護職員初任者研修を取得している場合
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格に位置します。
介護職員初任者研修 難易度★
介護福祉士実務者研修 難易度★★
介護福祉士 難易度★★★
しかし、だからと言って必ず介護職員初任者研修を先に取得する必要はありません。
金銭的な事情もあるので、時間とお金と相談してどうするのか考えるのが良いでしょう。
ちなみに、介護職員初任者研修に合格している場合だと、9科目分(130時間)の講習が免除されるだけでなく、受講費用も少し安くなります。
介護福祉士実務者研修を取得すると何が出来るようになる?
介護福祉士実務者研修を取得することで、仕事の幅が広がるだけでなく、給与にも影響してきます。
介護士として働くのであれば、ほぼ必須とも言える資格ですので、どのようなメリットがあるのかについても紹介していきます。
介護福祉士を取得するために必須
介護福祉士実務者研修を取得することで、介護福祉士を取得するための要件を1つ満たすことが出来ます。
平成28年度から、介護福祉士の受験資格は「実務経験3年」に加えて「介護福祉士実務者研修」を取得していることが必須になりました。
つまり、実務経験を3年していても、介護福祉士実務者研修を取得していなければ、受験資格すらありません。
そのため、介護福祉士を目指しているのであれば、早いうちに取得するのが良いでしょう。
喀痰吸引と経管栄養を学べる
喀痰吸引や、経管栄養は原則として医師か看護師以外が行うのは禁止されています。
しかし、実務者研修を取得することで、専用の研修が受けることが可能に。
別途研修が必要にはなりますが、医療従事者しか行うことが出来なかった医療行為が出来るようになれば、病院等にも就職することも出来ますね。
介護施設でも、喀痰吸引が出来る介護士というのは中々いません。
かなり重宝されますので、転職の際にもかなり有利になると言えるでしょう。
サービス提供責任者になれる
2019年4月から、訪問介護事業所では「サービス提供責任者」を配置することが必須になりました。
サービス提供責任者になるには、実務者研修を取得するか介護福祉士の資格が必要です。
従来の資格であったヘルパー2級等ではなることが出来ませんので、介護福祉実務者研修の活躍の場が増えています。
訪問介護だけでなくサービス付き高齢者住宅など、建物に併設している介護事業所では特に重宝されるでしょう。
資格取得で給料と年収が上がる
介護福祉士実務者研修を取得することで、基本給が上がったり、手当てが付く施設がほとんどです。
逆に、介護職員初任者研修では手当が付くことはほとんど無く、無資格者と同じレベルの給与体系からスタートすることもあります。
手当としては、毎月5,000前後のところが多い印象です。
月に5,000円ということは、無資格者と比べて1年間で6万円の差が付きます。
他にも、基本給が上がればさらに差が開くので、給与アップのためにも実務者研修は必ず取得するようにしましょう。
介護福祉実務者研修は取得するべき?
結論から言うと、介護士として働くのであれば介護福祉実務者研修の取得は必須です。
理由としては、他の人と全く同じ仕事をしていても給料が大きく変わってくるのが最大の理由でしょうか。
更に上位の資格である介護福祉士を取得することで、その額は大きく広がり、年収で言えば50万円から100万円以上の差が開いてきます。
もちろん、それだけ求められることも増えてきますが、介護福祉士まで取得すれば年収で450万円~500万円以上も狙える範囲です。
より多くの知識を持って介護の仕事を続けたいと思うのであれば、取得して損することはありません。
それでも、いまいち介護福祉士実務者研修のイメージが付かないと言う方は、無料で資料請求だけでもしておくのがおすすめです。
事前に詳しい資料を持っておくだけでも、いざという時に役立ちますよ。
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介護福祉士実務者研修まとめ
介護福祉士実務者研修は、無資格、未経験でも取得できることから非常に人気の資格となっています。
未経験から介護士を目指そうと考えている人や、すでに介護施設で働いているけどスキルアップをしたいと考えている人には必須の資格と言えるでしょう。
その中でも、訪問介護事業や介護サービス付き高齢者住宅では重宝されます。
経験と共に、着実にスキルも給与も伸ばしていきたいと考えるのであれば、ぜひ受講して介護福祉士実務者研修を取得してください。
資格を持っているだけで、転職の際にも必ずあなたの力になってくれますよ。
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