介護の仕事はあらゆる場面でストレスを与えられる環境にあります。
しかし、その受け取り方は人それぞれで、対処法や解決方法も千差万別です。
仕事中だけでなく、日常生活でも大きなストレスを感じるとストレスの悪循環から抜け出せなくなってしまい心身共に悪影響を及ぼします。
このストレス状態から抜け出す為に、介護の仕事を辞めてしまう人も少なくありません。
なぜ介護士はそんなに大きなストレスを感じるのか。
根本的なストレスの原因から、対処法と解決法を紹介します。
介護士がストレスを感じる7つの原因
介護士が仕事上で感じるストレスがこちらです。
・職場の方針が合わない。
・人間関係。
・人手不足で仕事が忙しく、休みが取れない。
・身体的負担が大きい。
・困難な利用者さんの対応で精神的に追い詰められる。
・給料が安い、仕事内容に見合わない。
・利用者さんやその家族からのクレーム対応。
職場の方針が合わない
介護の仕事は運営する法人や、社団法人によってその方針が大きく異なります。
経営者が売り上げを伸ばすために、現場の介護士に無茶をさせたり、対応の難しい利用者さんを入居させたりする事はよく聞く話です。
基本的には施設長が入居の対応をする事が多いので、現場に出ない施設長だと介護士との間に大きな溝ができやすくなります。
本当はもっと利用者さんに寄り添った介護をしたい、もっと質の高い介護を提供したいと考えていても運営方針と合わないと中々意見も通らず、フラストレーションが溜まる一方です。
介護の効率を優先する運営方針や、施設長に対して不満を持つ人も少なくありません。
人間関係によるストレス
訪問介護であれば介護士1人で利用者さんの自宅に行き援助を行うので、あまり人間関係で悩まされる事はありません。
しかし、介護施設やデイサービスだと大勢の人達と仕事をしなければならずチームワークが求められます。
外部から隔離された施設だと、密閉された空間になりやすく人間関係に問題が発生しやすくなるのが特徴的です。
年代や経験も違う多くの人達が働いているので、それぞれの価値観も異なります。
人間関係が悪いと、職員同士のコミュニケーションも取れず仕事にも支障が出るでしょう。
人手不足で仕事が忙しく、休みが取れない
日本では、超高齢化社会が進んでいます。
この先も高齢者を支える為の介護士は、どんどん不足していく一方です。
慢性的な人手不足に悩まされる介護施設も多く、それによって様々な問題が発生しています。
・有給どころか休日も中々取れない。
・休日出勤を余儀なくされる。
・残業が当たり前になっている。
・休憩時間中もナースコールの対応や介助をしながらでないと取れない。
残念ながらこのような労働環境で働く介護士は、少なくありません。
辞める職員も多いので、残った人達にそのしわ寄せが行ってしまい休日もろくに取れない事から不満を抱えながら仕事をする人が多いのが現状です。
身体的負担が大きい
車いすやベッドへの移乗介助、入浴介助など介護士の仕事は身体的にも負担の大きな仕事です。
特に、体重の重い利用者さんを相手にする時は腰への負担も大きく、腰痛の悪化やヘルニアになってしまう事も。
更に、早番や遅番に加えて夜勤の長時間労働など不規則な勤務を強いられる事が多いです。
このような生活リズムの乱れや、身体的な負担が自律神経を乱す要因となります。
対応困難な利用者さんの対応で精神的に追い詰められる
介護の仕事をしていると、たくさんの感謝の言葉を頂けます。
しかし、気難しい方の対応や不穏な行動、認知症の利用者さんをからの暴言や暴力が大きなストレスとなり精神的に病んでしまう介護士も少なくありません。
それでも対応しなければならず、どんどん追い詰められて介護の仕事そのものが嫌になり辞めてしまう人が多いのも事実です。
給料が安い、仕事内容に見合わない
年々、介護士の給与は改善傾向にありますが専門的な知識が必要な仕事の割に、給与が低い事もストレスの原因です。
どんなに真面目に頑張って働いても、昇給がほとんどなく数年働いても給料が変わらない施設も多々あります。
上司から褒められたり、責任ある仕事を任されたりしても給与に繋がらないのであればやる気は下がる一方です。
施設によっては、サービス残業が当たり前なんてところも少なくありません。
利用者さんやその家族からのクレーム対応
どんなに真面目に仕事をしていても、クレームを貰うことはあります。
特に介護の仕事では、ちょっとした行き違いや些細な言葉で大きなクレームになってしまうなんて事も。
施設長や上長がクレーム対応する事が一般的ですが、介護業界ではなぜか介護職員がクレーム対応をする事が良くあります。
利用者さんやその家族とは長い付き合いとならざるを得ないので、誰も守ってくれる人がいないと対人関係に頭を悩ませてしまいます。
ストレスによる悪循環
介護の仕事だけでなく、日常生活の中でも多くのストレス反応が生じます。
この日々に感じるストレスは「デイリーハッスル」と呼ばれるものです。
デイリーハッスルは、職場でのストレスと家庭やプライベートの環境で起こるストレスの2つに分けて考えましょう。
よくある日常生活でのデイリーハッスル。
・子供が言う事を聞いてくれない。
・親戚付き合いが億劫。
・近所でのトラブル。
・苦手な同僚と勤務時間が被る。
・施設長やリーダーと意見が合わない。
・頻回なナースコール。
この2つの「デイリーハッスル」が組み合わさる事で、悪循環を作り出してしまいます。
例えば、仕事で利用者さんからの暴言や頻回なナースコールでイライラした状態で家に帰り、家庭でのちょっとした出来事から八つ当たり気味に妻(夫)と喧嘩してしまい家族関係が悪化してしまう。
プライベートでもイライラした状態で仕事をする事で、中々集中出来ず仕事上でのミスも増えるといった悪循環を引き起こします。
また、日常的に発生するデイリーハッスルは人によってはストレスと感じない事もあるのが特徴的です。
介護の現場で言えば、頻回なナースコールに対してどうしようもなくイライラする人もいれば、特にストレスと感じない人もいるでしょう。
このように、状況が同じでもその人がどう感じるかによってストレスの度合いは変わります。
自分にとってのストレスについて考える際には、些細な事でもその根本となる原因を知ることが重要です。
介護の現場で起こるストレス対処法&解決方法
どんなに仕事を頑張ろうと思っても、ストレスが溜まってくると仕事を辞めたくなるのは当然です。
介護士におすすめのストレスの対処法と解決方法を3つ紹介します。
ストレスの原因を見つける
介護職はストレスの多い仕事です。
そのストレスとどう向き合っていくのかも介護士が仕事をする上で重要になります。
その為にも、あなた自身のストレスの原因を分析して明確にするのが必要です。
自分でも理由がわからないストレスというのは、精神的にも大きな負担が掛かります。
原因さえ明確になれば、対応する方法を考える事も出来ますが、それがわからないと漠然としたイライラがずっと残ったままで何も解決する事が出来ません。
自分の将来を一番に考える
もしあなたが大きなストレスを感じている状態であれば、この先の将来を少し考えてみましょう。
何もそんなに難しく考える必要はありません。
今の職場で、あなたはこの先どうなりたいのか。
不満に感じている事があるのであれば、その部分に折り合いをつけて働き続ける事が出来そうなのか。
今働いている職場は、あなた自身にとってどれだけのメリットがあるのかを考えましょう。
不満やストレスとメリットを比べてみて、メリットの方が少なければ、その職場から離れる事が一番の解決策です。
職場環境の見直し
先述した通り、人によってストレスの感じ方は様々です。
そのストレスの改善を職場に進言してみるのも解決策の1つになります。
施設長や会社に直接相談する事で改善される事もありますので、我慢をしない事が大切です。
限界が来る前に、転職を考えるのも1つです。
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