介護士の虐待の原因はストレスと知識不足が8割以上!現役介護士が考える問題の解決策

介護士による高齢者虐待の通報、相談件数は年々右肩上がりで上昇しています。

ニュースでも度々高齢者虐待ニュースを目にしますが、小さなものや表に出ていない虐待事例も数多くあるのが実情です。

平成30年度に介護施設で働く介護士からの高齢者虐待通報は2,000件以上あります。

利用者様の家族や、身内の方からの高齢者虐待通報はなんと30,000件以上!

護士からの通報と比べて10倍以上の通報がされています。

参照:「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況に関する調査結果

これだけ多くの虐待が日常的に行われている中で、潜在的な不適切ケアを含めるともはや何万件あるのかわかりません。

厚生労働省が出しているこのデータを基に考えると、虐待の背景にある要因は大きく2つにわけられます。

今回は、それぞれの問題がどのように虐待と関連しているのかを考えてみます。

目次

介護士による高齢者虐待の原因

まずは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況に関する調査結果を基にどのような問題があったのかを見てみましょう。

  • 教育・知識・介護技術に関する問題
  • 介護士のストレスや感情コントロールの問題
  • 虐待を行った介護士の性格や資質の問題
  • 倫理観や理念の欠如による問題
  • 人員不足による多忙さによる問題
  • 介護士同士の関係の悪さや虐待を助長する組織風土の問題

介護士による虐待は大きくこの6項目に分けられます。

その中でも圧倒的に多いのが「教育・知識・介護技術に関する問題」、次いで「介護士のストレスや感情コントロールの問題」です。

今回は、上位の問題2つに焦点を絞って考えてみます。

教育・知識・介護技術に関する問題

この問題はなんと、60%以上が回答している問題になります。

正しい介護技術や知識が無いまま援助を行う事により、仕事の負担が増しストレスに繋がるという事でしょう。

この1番の問題の背景にあるのは、個人的な問題ではありません。

介護施設側にある問題です。

未経験者や新人介護士に対して、教育係やメンターをしっかりと付けてあげられるのかが課題になります。

人手不足を理由に、まだ3、4か月しか経過してない新人介護士に教育をまかせるような介護施設も実在するくらいです。

その結果、教える側も教えられる側もよくわからないままになってしまい、正しいかどうかもわからず仕事をしている状態になります。

教育係やリーダーを育成しようとしても、人材不足でまだまだ経験の少ない介護職員が重要なポストに就くという現象は介護業界あるあるです。

通常の業務もギリギリの中で、新人教育や委員会業務に、シフト作成などの業務で負担が大きくなり身体的にも精神的にも追い詰められた状態での援助が虐待に繋がります。

運営側は、人員不足を言い訳にしますがそもそも介護は専門性を求められる仕事です。

それをわかっていながら、無理やりな人数で回すので教育も技術もまともに受ける事が出来ずに離職してしまうケースも多く見られます。

虐待だけでなく、教育や知識に関する問題が多い介護施設は離職率も高い事から、いかに介護の現場で教育が大切なのかがわかると思います。

介護士のストレスや感情コントロールの問題

ストレスが起因して起こった虐待は、全体の30%近くになります。

数字で見ると少ないと思うかもしれませんが、虐待案件の3件中1件はストレスが原因と考えるとかなり重要な問題だというのがわかると思います。

無茶な要望や、激務が続き心の余裕がなくなり思わず「キレてしまった」という虐待事件は数多くあります。

ニュースでも度々介護士が起こした暴力事件が報道されますが、その背景に何があったかまで報道する事はほとんどありません。

賛否両論あるかもしれませんが、私としては同情してしまう部分もあります。

もしかしたら、信じられないような勤務体系を強要されていたのかもしれない。

ストレスから、まともに寝る事も出来なかったのではないか。

上司や施設長に訴えていたのに、相手にされなかったのではないか。

そんな思いが駆け巡ります。

私自身、朝7時から21時までの14時間勤務休憩無しを6連勤、そのまま夜勤明け夜勤明けというシフトになっていた時は施設長に対して殺意が湧きました。

もちろん、その感情は援助にも現れます。

かなりイライラしながら仕事をしていたのを覚えているので、職場の環境や利用者様に対する介護士のストレスにはかなり敏感なところがあります。

もちろん、虐待の全てがストレスによるものと一概には言えません。

虐待は様々な要因が複雑に重なって起こる現象です。

ただ、介護の現場ではその要因が集まりやすい場所である事は間違いありません。

この2つの問題はどうしたら減らせるのか

確実に言えるのは、介護士の職場環境の改善でかなり軽減する事は可能です。

  • 無理なシフトを組まない。
  • 問題のある利用者様の情報は、施設全体で把握して対応策を決める。
  • 新人や未経験の介護士には丁寧な教育指導を行う。
  • 介護技術や知識に関する研修を定期的に行う。

特に忙しい介護施設で、雑な援助を繰り返していると感覚がマヒしてきます。

利用者を自分と同じ人間だと思えず感覚がマヒしてしまい、殴ってもいい、少し痛い目を見た方がいい、こんなに自分だけツライ思いをするのはおかしい。

このような思考回路に変わってきます。

こうして感覚がマヒしてくると、仕事での理不尽や自分のストレスを利用者相手にぶつけるようになってしまい、虐待が発生します。

そして、そのような環境を作り出しているのは施設の運営側です。

介護士1人がどうにかしようとして、解決出来る問題ではありません。

その結果、感情のセルフコントロールが求められるようになり、アンガーマネジメントやストレスチェックが流行り出しました。

怒りのピークは6秒で過ぎる。

介護の研修でもよく聞くフレーズだと思います。

私から言わせれば、本当に6秒で怒りが過ぎ去るならその人は神か仏です。

そうは言っても、ある程度の感情コントロールが求められる仕事である事に間違いはありません。

自分で対応出来るストレスは、自分でコントロールする事が介護士には求められています。

自分の心を大事にして、しっかりと守ってあげましょう。

虐待問題の解決策は?まとめ

最後に、この2つの問題の解決策は運営方針を変えるしかありません。

つまり、経営者や運営側が努力すべき問題であって介護士側で出来る事は限りなく少ないんです。

唯一出来る事は、ストレスマネジメントとメンタルヘルスケアを極める事くらい。

感情コントロールが上手にできる人であれば、どんな環境でもうまく仕事はやっていけると思います。

しかし、中々自分の感情と上手に向き合えないと自分で感情を殺しかねません。

その結果、鬱や自律神経を乱してしまい結果的に介護士としての仕事だけでなく、他の仕事にも就けなくなってしまう恐れもあるのがこの問題の怖いところです。

少しでも自分の心の平穏を保つためにも、今の職場環境が悪いと感じるのであれば転職をおすすめします。

介護士である事のメリットに、転職しやすいというのがあります。

本気で転職しようと思わなくてもいいんです。

他の介護施設を知る事で、最悪転職すればいいやという心の余裕も生まれます。

実際に私自身、こんな介護施設辞めてやる!と思いながらよく夜勤中に転職サイトを見ていました。

こんなにたくさんの介護求人があるんだから、本当につらくなったいつでも辞めれると思いながら働いていた時期もあります。

ストレスに対応する為の技術や知識も大切ですが、それ以上に大切なのは職場の環境です。

同じ介護の仕事をするのであれば、少しでも良い環境で働く事が重要になってきます。

運営方針や経営側は、本当に重大な事故や事件が起こらないと変わりません。

その当事者にならない為にも、限界を感じる前に様々な介護施設がある事を知っておいて欲しいです。

こよみ
介護士歴10年
介護福祉士/老健/有料老人ホーム/サ高住
管理者と現場主任を経験。
介護業界は本当に稼げないのか?
どうすれば給料を上げることが出来るのか、年収を上げるにはどうすれば良いのかを本気で考えています。
介護士としての日常や考え方を発信したり共有したいと思ってブログを立ち上げました!
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