介護職によくあるストレスの特徴と原因は?職場に求められるメンタルヘルスケア

介護職が感じるストレスの大部分は、職場環境によるところがほとんどです。

ストレスに対してどのような対策をすればいいのかを考えるには、まずはあなた自身が働いている職場の特徴を知ることが大切になります。

目次

介護職の職場環境の特徴

介護職に限らず、どのような仕事にも必ずストレスは発生するので、完全にストレスフリーな職場なんてものはありません。

特にストレスを感じずに働いているという方でも、自分でも気づかないうちにストレスを溜め込んでしまっている場合もあります。

ストレスを感じた時の対処法は、人それぞれです。

お酒を飲んだり、カラオケで大声で歌ったり、体を動かしてストレスを発散する方もいるでしょう。

もちろん、こうして自分に合った方法でストレスを解消するのも一つの手ではありますが、そもそもの原因と特徴を知る事で対処する方法も具体的に考えられるようになります。

まずは介護現場で見られるストレスの特徴について考えてみます。

介護現場で見られるストレスの特徴

主に以下の項目が特徴として挙げられます。

・介護施設の運営は主に介護保険で得られる収入で成り立っている為、毎月の収支がある程度確定されていて、介護職員の給与上限がある程度決められている。

・他業種と比べて給料が低い事業所が多い。

・人手不足、かつ激務でありながら求人を出しても中々応募がない。

・事業規模が小さい事業所が多いので、明確な昇給基準やキャリアパス制度が確立していない。

・利用者さんの対応の他に、その家族の対応や家族支援も行う。

・施設周辺の地域と連携を取るため、地域の福祉関係者と関わる必要がある。

・事業所や施設内では、介護福祉士、ケアマネージャー、看護師、社会福祉士など様々な立場の人達が働いている。

・専門的な知識が必要な中で、無資格者や未経験者も働いている。

・入所施設では24時間365日運営しなければならないので、職員は変則的な勤務を強いられる。

・サービス残業や休日出勤も多く、予定を中々立てられない。

この他にも、あなたの働いている職場には様々なストレスの原因があると思います。

介護職に従事する人達の大多数が感じるストレスの原因に、不規則な勤務と人間関係が挙げられる事が多いです。

改善が求められる介護職の職場環境

介護職のストレスを緩和する為、事業所にも改善を求められています。

職場環境が原因の主なストレス要因は以下の5項目です。

・援助方法が確立されていない。
・仕事量が多くケアの質が低い。
・人間関係。
・労働時間。
・事業規模や運営方針

この職場環境によるストレスを項目ごとに詳しく見ていきましょう。

援助方法が確立されていない

しっかりとした運営を行っている事業所や施設だと、利用者さんごとに介護手順書を作成しています。

介護の仕事は、全ての人に全く同じ援助をするわけではありません。

排泄介助1つ取っても、立位を取ることが出来る人もいれば、体を支えながらズボンを下ろさないといけない人もいます。

介護未経験者や、経験不足の介護職員だとそれだけの知識を頭に入れるだけでいっぱいになってしまうでしょう。

それも、たったの数回ほど先輩から援助方法を見せられただけで、後は1人でやってもらうなんてこともあります。

しかし、介護手順書があれば利用者さん一人ひとりの細かい援助方法が記載されているので、新人職員でも援助方法で迷う事がなく援助方法も統一する事が可能です。

仕事量が多くケアの質が低い

介護職は利用者さんの援助だけが仕事ではありません。

どのような援助をしたのか、どんな様子だったかといった記録も業務に含まれます。

特に、転倒など起こってしまった際には事故報告書や改善報告書も必要です。

介護保険が改正されてから、このような記録も重要視されるようになったので、事務作業がどんどん増えて行っています。

その結果、事業所側が記録を簡単にする方法(IT技術の活用など)を考えず、手書き等で行っているとそれだけ業務が圧迫されて思うように仕事が進まずストレスを抱える事態に。

人間関係

介護職の離職率で上位に位置するのがこの人間関係です。

人間関係のストレスは、一緒に働くケアスタッフ同士だけの問題ではありません。

介護職員と利用者さんの関係性や、利用者さん同士のトラブルに巻き込まれるのも大きなストレスを感じます。

中には、「モンスター家族」と言われるような無茶な要求や過剰なサービスを求めてくる家族も多く、施設側で対応を行わないと、その負担は全て現場で働く介護職員に向けられます。

労働時間

日中だけ利用者さんを預かるデイサービスであれば、働く介護職員の生活リズムも安定します。

しかし、24時間高齢者の生活を支える訪問介護や施設型だと早番や遅番に夜勤と勤務時間も安定せず、自分でも気付かない内にストレスが溜まっている事もあります。

また、有休も中々消化できないといった不満も多く上げられ、しっかりと職員が休みを取れる職場の環境整備が必要です。

事業規模や運営方針

介護施設や事業所の規模、運営方針があなたと合っていないと大きなストレスを感じながら働く事になりかねません。

グループホームや小規模施設が合っている人もいれば、大型施設で働くのが好きな方もいるでしょう。

また、事業規模が小さい施設だとキャリアアップ制度が確立されていない場合がほとんどです。

キャリアアップ制度が確立されているような大きな事業所だと、昇給の基準や昇格までの道のりが明確になっているので将来のイメージや目標が定めやすくモチベーション維持に繋がります。

介護に力を入れている法人だと、キャリアパスによって人事や総務といった事務職への異動を希望することも可能です。

何年も同じ職場で仕事をしていても、ほとんど昇給することなく給与的にも将来的な不安を抱えたまま仕事をしている人も数多くいます。

職場に求められるメンタルヘルスケア

いかに介護職員のストレスを軽減し、働きやすい職場を作れるかが事業所に求められています。

メンタルヘルスケアの対策は、施設長や理事長といった事業主の役割です。

具体的なメンタルヘルスケアの内容は以下の4つになります。

・セルフケア
・ラインによるケア
・産業保健スタッフ等によるケア
・外部の資源によるケア
この4つのケアを具体的に見ていきましょう。

セルフケア

これは、介護職員自らで行うメンタルヘルスケアになります。

ストレスに対する知識を持ち、自分自身でストレスに対処できるようにすることです。

身体的な健康だけでなく、精神的な健康管理もしっかりと行い、ストレスやメンタルヘルスケアに対する正しい理解が必要になります。

ラインによるケア

自分自身で行うセルフケアと違って、ラインによるケアは現場の主任や施設長が現場スタッフの支援を行う事です。

介護スタッフが働きやすい職場環境を提供する事は、事業所の義務と責任になります。

ストレスマネジメントの研修や、仕事の相談が出来る環境作り、介護スタッフのセルフケアを支援する為の対策が必要です。

産業保健スタッフ等によるケア

産業保健スタッフ等によるケアとは、産業医や保健師、精神保健福祉士、カウンセラーといった専門的な知識を持ったスタッフによるケアのことです。

一定規模の大きさがある事業所であれば、産業医がいますので専門的な支援を受ける事が出来ます。

また、外部資源との窓口やネットワーク作りも重要な役割です。

しかし、一定規模の大きな事業所や法人でないと、常駐している専門スタッフが少ないことが問題として挙げられます。

外部資源によるケア

事業所内に専門スタッフがいない場合や、より専門的な支援が必要となった場合は外部の医療機関や心理相談室が該当します。

そのような機関に相談する事を知られたくない、恥ずかしいと思う人達も多いので、個人情報やプライバシーを保護する取り決めも一緒に締結するのが一般的です。

事業所によっては、特定のカウンセラーやメンタルクリニックと契約して、その事業所で働く介護スタッフがいつでも自由に利用出来るようにしている事業所もあります。

まとめ

この記事では、介護現場で見られるストレスの特徴と職場が対応すべきストレスマネジメントについてお伝えしました。

介護の仕事は職場環境によって、働く職員のストレスに大きな差が出てきます。

無責任な事業所や法人だと、現場に全て丸投げしたり、表面上だけの制度を作って実際には機能していないような事業所も多いというのが現状です。

事業所のメンタルヘルスケアは、離職防止や虐待防止につながるだけでなく、その職場で働く介護スタッフの心の健康を守る事にも繋がります。
今働いている職場が、あなたの事を本当に大事にしてくれる職場なのかを今一度、考えてみる事が大切です。
こよみ
介護士歴10年
介護福祉士/老健/有料老人ホーム/サ高住
管理者と現場主任を経験。
介護業界は本当に稼げないのか?
どうすれば給料を上げることが出来るのか、年収を上げるにはどうすれば良いのかを本気で考えています。
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