【介護士向け】認知症の症状別に見るそれぞれの特徴と種類をわかりやすく解説

認知症には様々な種類があり、タイプによって特徴も症状も異なります。

しかし、認知症と一括りで表現されてしまうことが多い病気です。

そもそも認知症とは、どんな状態のことを言うのでしょうか。

私達人間は、生まれてから成長するまでの過程で「お箸の持ち方」「自転車の乗り方」など色々な能力を身に着けて生きています。

この正常に発達した能力(認知機能)が脳の障害によって後天的に低下し、日常生活や社会生活を送ることが困難になった状態のことをいいます。

認知症の代表的な種類は以下の通りです。

  • アルツハイマー型認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭型認知症
  • 血管性認知症

これらは4大認知症とも呼ばれていて、それぞれに特徴があります。

目次

認知症の種類とタイプ別の特徴

こちらでは、それぞれのタイプの認知症の症状や特徴についてわかりやすく解説しています。

アルツハイマー型認知症の特徴

認知症と診断される人の約半数が、アルツハイマー型認知症と診断されます。

患者数が最も多い認知症の種類で、記憶障害から始まることが多いです。

「最近、母の物忘れが酷くて心配…認知症が始まったのかしら。」

介護の仕事をしていると、このような会話をよく耳にしますが、アルツハイマー型認知症の特徴は「忘れる」のではなく「覚えられない」のが特徴です。

症状が進行していくと、自分の置かれている状況を認識することができない「見当識障害」や、物事を順序立てて計画して行動する「実行機能」などの認知機能が低下します。

日常生活を送る上で出てくる主な影響は以下の通りです。

  • 普段通りの家事にやたらと時間がかかる。
  • お金の管理が難しく、全てお札で支払いをしている。

身体機能や嚥下機能は、他の認知症と比べて維持できることが多い傾向にあるので、早期発見が遅れてしまいがちです。

また、時間をかけてゆっくりと進行していく病気なので、一人暮らしの高齢者だと周囲からも中々気づいて貰えず、発覚したときには認知症が悪化した状態だったという話も少なくありません。

レビー小体型認知症の特徴

レビー小体型認知症では、本来そこにあるはずのないものが見える「幻視」が特徴です。

また、アルツハイマー型認知症と比べると記憶障害は比較的軽度なことが多いですが、認知機能のふり幅が大きく、「しっかりした状態」「ぼんやりした状態」を繰り返します。

身体的な症状として出てくる特徴は以下の通りです。

  • 一つひとつの動作がゆっくりになる。
  • 小刻み歩行のようなパーキンソン症状。
  • 起立性低血圧
  • 便秘

また、嚥下障害が早くから症状として見られる方も多いので、食事形態には注意が必要です。

その他には、寝ているのに起きているのかと思うほどハッキリした寝言や、大声を出すなどの「レム睡眠行動異常」と呼ばれる睡眠障害が見られることも。

レビー小体型の認知症は、幻視の他にも歩行などの運動機能に関する障害だけでなく嚥下機能の低下もみられので、飲み込みやすい食事に変更するなどの支援が必要です。

前頭側頭型認知症の特徴

真面目で正義感の溢れていた人が、スーパーで万引きを繰り返すなど反社会的な行動を繰り返す場合、前頭側頭型認知症の可能性が考えられます。

比較的若い40歳~65歳頃に発症することが多い認知症の種類の1つです。

前頭側頭型認知症の特徴としては、性格の変化が初期から目立って起こり、介護施設では他の人の食事を食べてしまったり、暴力行為に及んだりと問題行動を起こす方もいます。

他の認知症と比べて記憶能力は比較的保たれる傾向にあり、対応が難しい病気です。

このような病気の性質から、介護サービスを断られたり、介護施設からの退去を言い渡されたりすることも少なくありません

また、「毎日決まったものしか食べない。」「決まった時間に新聞を読む。」など同じ行動を繰り返す常同行動が見られます。

血管性認知症の特徴

血管性認知症は、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害が原因で起こる認知症です。

この認知症の特徴としては、脳に障害をきたした部位や範囲によって、症状がそれぞれ異なります。

  • 麻痺などの運動障害
  • 嚥下障害
  • 構音障害など

障害された部位によって出てくる症状は人それぞれで、急に症状が出てくる人もいれば、徐々に症状が現れる人もいます。

血管性認知症の場合、脳出血や脳梗塞の再発で一気に症状が悪化することもあるので、再発予防が重要です。

認知症の初期症状を見逃さないために

認知症と聞くと、昼夜問わず歩き回ってどこかへ行って帰れなくなってしまったり、何度も同じことを繰り返し聞いてくる人をイメージするかもしれません。

このような症状は認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症の特徴ですが、その他の認知症では症状が異なります。

認知症と聞くと、「すぐに忘れてしまって、記憶できない人」といったイメージが最初に浮かぶと思いますが、実はアルツハイマー型認知症以外の認知症だと記憶障害が目立って出てこないパターンの方が多いです。

それぞれの特徴の違いを知らないと、認知症の初期症状を見逃してしまう可能性が高くなります。

また、全ての認知症のタイプに言える事ですが、症状や進行するスピードには個人差が大きいのも特徴です。

認知症の症状が異なる理由

認知症の症状が異なるのは、脳の性質が大きく関係しています。

私達の脳は、部位ごとにそれぞれの役割が決められているので、認知症の種類によって障害を負った部位に関連する機能が低下していきます。

どうして認知症が発生するのか、ハッキリとした原因はまだ解明されていません。

しかし、認知症の種類によって脳のどこの部位が障害を負っているかは、徐々に解明されてきています。

例えばアルツハイマー型認知症の場合、記憶に関係する部位である「海馬」の萎縮が見られますが、レビー小体型認知症では海馬の萎縮は軽度であると言われているのです。

また、アルツハイマー型認知症の方の海馬が萎縮するスピードも人それぞれ違います。

一括りに認知症と言っても、記憶障害の程度は人それぞれです。

認知症の種類とタイプ別の特徴まとめ

ここまで主な認知症の種類と特徴を紹介しました。

最後に、それぞれの認知症の特徴をまとめています。

  • アルツハイマー型認知症
    ・認知症の半数以上を占める。
    ・記憶障害が目立つ。
    ・見当識障害、実行機能障害。
  • レビー小体型認知症
    ・幻視が見られる。
    ・パーキンソン症状が見られる。
    ・自律神経症状が見られる。
    ・認知機能に変動がある。
  • 前頭側頭型認知症
    ・反社会的な行動。
    ・40歳~65歳頃に発症することが多い。
    ・性格の変化が見られてる。
    ・同じことを繰り返す常同行動がある。
  • 血管性認知症
    ・麻痺などの機能障害。
    ・嚥下障害、構音障害など。
    ・脳出血や脳梗塞の再発予防が重要。
認知症を患っている方の行動は、健康な人からしてみると不可解なものですが、その行動は脳の障害が原因で起こるものです。
現代の医療ではまだ治療して治すことが出来ず、認知症の原因もまだまだ解明されていません。
まだまだ知らないことが多くある病気なので、認知症の利用者さんを対応する介護士の方は、一人ひとりの病状を見て観察しながら柔軟なケアが求められます。
こよみ
介護士歴10年
介護福祉士/老健/有料老人ホーム/サ高住
管理者と現場主任を経験。
介護業界は本当に稼げないのか?
どうすれば給料を上げることが出来るのか、年収を上げるにはどうすれば良いのかを本気で考えています。
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