自律訓練法ってなに?と思われる方もいるかもしれが、これはドイツの精神科医によって広まった一種のリラクゼーション方法です。
この方法は習慣化することによって、意識せずとも自然に活用できることから、プロスポーツ選手もよく利用しています。
- 自律訓練法ってなに?
- 自律訓練法の効果は?
- 自律訓練法の手順を知りたい。
上記のような内容をお伝えしていますので、ぜひ参考にしながら仕事のストレス軽減に役立ててみてくださいね。
自律訓練法とは
自律訓練法は段階に応じた「公式(文言)」を唱えながら実施することで自分自身を催眠状態におくという、自己催眠の一種です。
身体的、精神的ストレスからくる緊張や不安を和らげてくれる効果を発揮します。
この訓練法は、スポーツ選手が試合前に緊張しすぎて本来の実力が出せなかったり、冷静でいられるようにしたりするための「メンタルトレーニング」としても取り入れられている手法です。
自立訓練法には7つの公式で成り立っています。
≪自律訓練法7つの公式≫
背景公式 | 安静状態に入る |
第1公式 | 両腕・両足が重く感じる |
第2公式 | 両腕・両足が暖かく感じる |
第3公式 | 心臓の脈が規則正しいリズム |
第4公式 | 呼吸の調整 |
第5公式 | 腹部の温かさを感じる |
第6公式 | 額が涼しく感じられる |
ここでは、自律訓練法の基礎となる「第1公式」と「第2公式」をお伝えしています。
自律訓練法の効果と習慣化
自律訓練法は、1回だけで効果を発揮するものではありません。
何度も繰り返し行って、習慣化させることで身に付く方法ですので、できるだけ毎日ちょっとだけでも実施することが重要です。
慣れてくれば1回、5分ほどで出来るようになり、継続することで仕事に対する緊張感やストレスの軽減を図る効果があらわれます。
何日か続けなければ、その効果を実感することも出来ませんので、まずは1週間だけでも続けてみましょう。
自律訓練法の手順
こちらでは、自律訓練法の「背景公式」「第一公式」「第二公式」「消去動作」を紹介しています。
準備と背景公式
自律訓練法に入る前の準備と、まずはじめに行う「背景公式」の説明です。
≪始める前の準備≫
自律訓練法を行う前には準備が必要です。
以下の点に注意して自律訓練法を行いましょう。
- テレビや音楽は消して、できるだけ静かな場所でおこなう。
- 腕時計やベルトなど体を圧迫しているものや、メガネなど身に着けているのもは外しましょう。
- 家で行う場合は、靴下も脱いではだしの状態が理想的です。
- 途中で中断しないように、トイレに行っておきましょう。
準備ができたら、まずは「背景公式」から行います。
≪背景公式≫
背景公式は、自律訓練法に入る前に必ず行う公式です。
この公式を終えたあとに「第1公式」や「第2公式」を行います。
①姿勢を整える
まずは、椅子に深く腰掛けます。
目を閉じて、頭の力を抜いたら少し前に垂れた状態にする。
口は軽く開けて、両手を軽く開いた状態で両ひざの上に置きましょう。
両足は肩幅くらいに広げて力を抜きます。
②背景公式の動作
「気持ちが落ち着いている」という言葉を心の中で繰り返しながら、ゆっくりと深呼吸を2、3回繰り返します。
この時、自然の中にいるイメージやのどかな風景を想像するのが良いでしょう。
≪第1公式:重感練習≫
背景公式を行ったら、続けて第1公式に入ります。
①第1公式の最初の手順
「気持ちが落ち着いている」という言葉に加えて、「右腕が重い」というセリフを2、3回繰り返し心の中で唱えます。
呼吸はゆっくりのままで、上記の言葉を繰り返すことで自然と、右腕に重みを感じられるようになってきます。
②第1公式の2番目の手順
「気持ちが落ち着いている」「右腕が重い」に加えて、「左腕が重い」も加えましょう。
①の動作はそのままで、セリフに合わせて右腕と左腕にぼんやりとした注意を向けます。
「右腕が重い」→右腕に意識を向ける。
「左腕が重い」→左腕に意識を向ける。
③第1公式の3番目の手順
両腕に意識を向けて重みを感じられてきたら、両足にも意識を向けます。
右腕→左腕→右足→左足とその範囲を広げていきましょう。
②と同じように、心の中でセリフを繰り返しながらそれぞれの場所に意識を向けます。
①~③の動作を最初は10分くらいの時間をかけて行いましょう。
この一連の動作を終える時には「消去動作」を行います。
≪消去動作≫
自律訓練法は、一種の自己催眠です。
その催眠を解くための消去動作を行う必要がありますので、1つの公式を終える時には、必ずこの動作で自己催眠を解きましょう。
消去動作の手順
- 「グー・パー」と言いながら、両手を握って開いてという動作を何回か繰り返します。
- 両手を前に伸ばして戻すという動作を何回か繰り返す。
- 両手を上に伸ばしながら背伸びをしたら、ゆっくりと目を開けて立ち上がりましょう。
≪第2公式:温感練習≫
手順は第1公式とほとんど変わりません。
背景公式を終えたあとに、「右腕が温かい」「左腕が温かい」と繰り返していき、右足と左足までそのイメージを広げます。
慣れてきたら、片腕ずつでなく「両腕が温かい」というセリフでもOK。
こちらも、第1公式と同様に終わるときには消去動作を行ってください。
≪背景公式から第2公式まで連続して行う≫
最初は一つの公式から初めて、慣れてきたら背景公式から第2公式まで連続して行ってみましょう。
手順としては、背景公式から初めて第1公式に入ります。
両腕、両足が重く感じられてきたら、そのまま第2公式に移りましょう。
その際には、「右腕が重くて温かい」「左腕が重くて温かい」と2つの公式を合わせたセリフを繰り返します。
15分ほど経過したら、消去動作をして終了です。
自律訓練法 まとめ
ここでは、仕事で感じる緊張感やストレスを溜めないようにするためのリラクゼーション方法、自律訓練法をお伝えしてきました。
実際にプロスポーツ選手も行っている方法ですので、実際にやってみてその効果を実感してみてください。
慣れれてくれば通勤電車の中や職場でも簡単にできますので、ぜひ生活習慣の1つにしてみましょう。
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