職場の人間関係は社会人の悩みで常にトップを走り続けていますが、介護業界ではこの人間関係がダイレクトに離職へと繋がります。
苦手な同僚が居ても、極力避けたりして関りを持たないように出来る仕事もありますが介護職ではそうもいきません。
特にチームで動く介護施設では、夜勤や入浴介助、日中のフロア対応など苦手な人と一緒に仕事をしなければならない場面が多く見られます。
苦手な職員と勤務が被っている日は、仕事にも行きたくないしそれだけで憂鬱になりますよね。
シフトを貰うとまず最初に、苦手な職員と夜勤が被っていないか確認するのは私だけじゃないはず…。
介護の仕事はコミュニケーションや報連相が重要なので、例え苦手な相手でも話さなければなりません。
利用者さん、利用者さんの家族、管理者や主任などの上司、ケアマネージャー、看護師、同僚とたくさんの人と仕事の度にコミュニケーションをとっています。
コミュニケーションが上手くいかないことで、伝達ミスから来る事故が起こったり、まぁ大丈夫だろうと思って報告せずに黙っていたことが大きなトラブルに発展してしまったりといった経験はありませんか?
介護の仕事はコミュニケーションが上手くいくほど、仕事もスムーズに進みます。
そんなのわかってるよ!と思うかもしれませんが、わかっていても出来ていないのが介護現場の実情です。
そこで今回は、わかっていても出来ない理由をコミュニケーションと関係構築力の点から見ていきたいと思います。
コミュニケーションで重要なのは関係性
そもそも、コミュニケーションなんでしょう?辞典で調べてみました。
1 社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。「―をもつ」「―の欠如」
2 動物どうしの間で行われる、身振りや音声などによる情報伝達。
このように書かれていますが、一言でいうと意思疎通です。
意思疎通がしっかりできる人と出来ない人、いわゆるコミュニケーションが取りやすい人とそうでない人の違いは何でしょう。
コミュニケーションの上手な人ってどんな人だと思いますか?
相手の話をしっかり聞いてくれて、話を遮らない人。
正しい答えや、アドバイスをくれる人。
話が面白くて、飽きない人。
色々と思いつくかもしれませんが、実はどんなに話上手であってもその相手が苦手な人だと無意識的にコミュニケーションを遮断してしまいます。
何を話すかではなく、誰が話すか
例えば、苦手な同僚から「〇〇さんの排泄介助の際は、もっとしっかり体を支えてあげてからズボンを下ろした方がいいですよ。」と言われたらあなたはどう思いますか?
「いやいや、自分で立てるのだから別にそこまで支えなくてもいいでしょ。」「あなたはその方がやりやすいのかもしれないけど、私は違うから今までのやり方でいいや。」と思ったりしませんか?
仮に、苦手な同僚の言っていることが正しいことであったとしても、中々素直に受け入れられないと思います。
しかし、尊敬している同僚や先輩から全く同じことを言われたとしたらどうでしょう。
「確かに、その方が安定していいのかもしれない。」「一回試してみようかな。」と肯定的な考えになりませんか?
もしくは、「まだ下肢筋力もしっかりしているので、そこまで支えなくても大丈夫だと思います。」とあなた自身の考えや意見を伝えることも出来るでしょう。
言われていることは同じなのに、受け取り方がこうも変わってしまうのは不思議ですよね。
あなた自身が相手にどんな感情を抱いているかで、受け取り方が変わります。
どんな感情を抱いていれば、相手の言葉を否定せずに前向きに受け取ることが出来るのでしょう。
コミュニケーションで重要なのは、話す内容や伝え方ではなく、相手との関係構築力の方が重要になってきます。
コミュニケーションは信頼関係
何度言っても同じ間違いを繰り返す職員や、アドバイスをしてもその方法を実行しようとせずに、自分のやり方を貫き通す職員はあなたの周りにいませんか?
あなたがどれだけ正しいことを言っていたとしても、そこに信頼関係が無ければ相手はその言葉を受け入れようとはしてくれません。
「私は間違ってないのに!」「何度言ってもやろうとしない!」
そんな思いに囚われてしまうと、さらに意思疎通が難しくなります。
なんとかして相手に伝えようと躍起になるよりも、相手のとの関係を構築することが先決です。
逆に、ある程度の信頼関係さえ築くことができればコミュニケーションは格段に取りやすくなるしょう。
関係構築力を身に着けて、誰とでもコミュニケーションを上手に取れるようになるだけで、仕事もやりやすく人間関係で頭を抱えることも無くなります。
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